最近、テレビなどで紹介されることもあるので多くの人が犬を可愛がっています。とくに仔犬を見ると可愛いですし、私たちを非常に魅了してやみません。 ただ、犬は生き物ですので、いらなくなっても処分することは許されることではありません。 犬の一生はおよそ10〜15年といわれています。その間の犬との生活は想像以上に大変なものです。しかし、その見返りとして、たくさんの思い出や人としての生き方を教えてくれます。
「とりあえず、犬を飼ってみよう」
という軽い気持ちで飼おうとされている方は、犬を飼う前にいったん冷静に考えて下さい。

毎年、30〜40万頭もの犬が処分されています。その内ほとんどが元・飼犬です。飼い主の勝手なエゴだけで殺処分されていく犬に何の責任もありません。 犬は非常によく人間に懐きますのでかわいいです。その反面、うんちやおしっこの世話が室内で飼う場合は特に大変です。「ここでおしっこをするの！」と言ってもなかなか覚えてくれませんし もちろん、言葉も通じません。しかも犬も人と同じで歳をとります。歳をとれば病気もしますし、病気になれば病院にもいかなければなりません。 犬の病院は人のように保険がききません（一部民間業者でペット保険はあります。）ので福沢諭吉がバンバン羽が生えた様に飛んでいきます。 事故などにあって介護が必要になる可能性もあります。犬を飼うということは、そういった色々な問題も含めて何があっても最後の瞬間まで家族の一員として看取ってやる経済的・精神的な覚悟が絶対に必要です。

犬を飼う覚悟ができたら、次は仔犬を迎える準備をします。
まずは住宅事情が優先的になるでしょう。住んでいる家がペットが飼える場所かどうか。ペット禁止の住居で飼うことは絶対にやめてください。また飼い主の年齢・家族構成などを考慮して飼う犬を選んでください。例えば高齢の方の場合は運動量が少なく室内で飼える室内犬が向いています。しかしどんな犬種であれ、住環境は犬のしつけや性格形成にとっても非常に重要な要素となります。

飼う前に用意した方がよいもの
・ケージ
・餌
・ペットシーツ
・ティッシュ（うんちやおしっこを拭くため）
・仔犬のベッド

仔犬が家にやってくる日の前に、仔犬の居場所とトイレをまず確保してあげてください。最初はかまいすぎずに仔犬が「ここが新しい環境だ」と慣れさせます。 仔犬がうんちやおしっこをする体勢になったら、とりあえずトイレに連れて行き、「ここでうんちはするの」と教えてあげます。とくに仔犬の頃は起きた際にすることが多いので その際に、上手にできたらいっぱいの愛情をもって褒めてあげてください。

犬種によって様々ですし、地域によってマチマチですので一概にいえません。ただ、定期的に美容室などでカットをしなければいけない犬種であれば、美容室代がかかりますし、アレルギーがでやすい体質の犬種であれば餌を考えてあげなければなりません。 生後91日目には、狂犬病予防法に基づき狂犬病の予防接種としなければいけませんし、フィラリア予防薬や年1回の混合ワクチンも費用が発生します。その際に通院しますのでその診察代も必要です。犬の診療は自由診療ですので、地域や病院によって手術代金や通院費用もマチマチです。また一人暮らしの場合や旅行などでお出かけする際に、一緒にいけない場合は預ける必要がありますのでペットホテルなどの料金も発生します。病気がちになってきた場合は、病院の費用も発生します。また温度変化に弱い犬種の場合、エアコン代がかかりますので電気代は増えると思っておいてください。 犬を飼う費用というのは予想以上にかかるものですが、誰もができないものではありません。 家族が増えるということは、それだけ必要経費が増えるということでもあります。

犬とはできるだけ一緒にいてあげて欲しいのですが、人間にも人間の生活がありますので、かならずしもそういうわけにはいきません。 とくに一人暮らしの場合や共働きの場合は飼うことは可能ですが解決しなければいけない問題もあります。それを次にあげていきます。
■温度管理
日本の場合春夏秋冬温度差が厳しいですので、温度管理が必要です。低温に弱いチワワのような犬種や、逆に高温多湿に弱いフレンチブルドッグやボストンテリアなどの短鼻犬種 などの場合留守中の温度管理も必要です。特に仔犬の時期は体温調整の機能が発達していませんので特に注意してあげてください。

■太陽の光
仔犬の成長に太陽の光は非常に大事です。ただ、仔犬のうちからいきなり散歩にでることはしない方がよいので室内で光のあたる場所を確保してあげることが大事です。 室内に日が入りにくい場合は、日光浴用の蛍光灯なども販売されていますのでオススメです。

■犬中心の生活
仔犬を迎えてから最低1年間くらいは犬中心の生活になるものと思っておいてください。 食事は1日に3回か4回にわけてあげた方がよいですし、しつけもきちんと仔犬のうちにしておかなければいけません。生後6ヶ月をすぎると散歩にもでかけられるようになりますので 散歩にもいかなくてはいけません。残業や留守が多い場合、かなりきつい生活になりますが、それをも超越して「かわいい」と思える覚悟が必要です。

犬との生活は大変楽しいですし、私たちを癒してくれます。犬を育てることで自分自身も育てられる部分が多いことも確かです。それだけに犬を受け入れる覚悟も必要になります。 仔犬が可愛いと思って飼うのならば、犬を受け入れる環境を先に整えてやってください。
犬にとってどんな飼い主であれ、どんな環境であれ、
頼れるのは飼い主であるあなただけなのです。