仔犬の予防接種について

仔犬の予防接種の基礎知識

めがねいぬ 仔犬の健康を考える上で非常に大切なのは病気を予防するということです。もちろん仔犬に限ったことではないのですが、仔犬の場合成犬にくらべて抵抗力が著しく低いので、仔犬の時は 人間が守ってあげなければなりません。伝染病はいつ、どこで感染するかわかりませんので、予防接種は必ず受けてください。
予防接種には、5種混合や6種混合など何種類かの混合ワクチンを接種する方法があります。獣医さんによってマチマチですが、たとえば5種混合の場合 「犬パルボウイルス感染症・犬ジステンパー・犬パラインフルエンザ・犬アデノウイルスI型」の5種類の混合ワクチンが基本です。 ただ犬種によって痛みや発熱・アレルギーなどがでることもありますので健康状態や地域性などを考慮して獣医さんによく相談の上、予防接種を行ってください。
また予防接種する時期ですが、理想的とされているのは3〜4週間の感覚で生後6週間で1回目、9週間で2回目、12週間で3回目を予防すると理想的とされています。
また狂犬病予防接種は必ず受けてください。
狂犬病は日本では1957年以降発生はありませんが、海外では人間が命を落とす危険性のある人畜共通伝染病のひとつです。「狂犬病予防法」という法律で飼い主に義務付けされている ものですので必ず受けてください。狂犬病に侵された犬は大変なことになります。
病名 症状 予防方法
犬ジステンパー 発熱・咳・鼻汁・呼吸困難・下痢・血便・脱水症状などが続き進行すると痙攣などの神経症状がでて死亡するケースもある。 生ワクチンを接種する方法が一般的。伝染病の予防接種は通常生後50日から60日までで1回目・その後90日過ぎに2回目とする。その後、年に1回の接種が必要
犬伝染性肝炎
別名:アデノウイルスT型感染症
発熱・食欲低下・下痢・嘔吐・腹痛などが続く。他のウイルス性の伝染病との合併症や仔犬に多い劇症型の場合、最悪死亡するケースもある。 生ワクチン接種が基本。犬ジステンパーとの混合ワクチンが一般的。
犬伝染性喉頭気管炎
別名:アデノウイルスU型感染症
肺炎や呼吸器症状として、咳やくしゃみ、鼻水、扁桃炎などが起こります。  単独では死亡率はあまり高くありませんが、他の病原体との混合感染や二次感染を起こすと、
 肺炎が悪化して死に至ることもあります。
上記とほぼ同じで混合ワクチンによる予防接種が一般的。
犬パルボウイルス感染症 腸炎型の場合激しい嘔吐や下痢、血便、脱水症状を伴う。心筋炎型の場合、呼吸困難を起こす。いずれにしても、この感染症に関しては、死亡率が非常に高い。 年に2回単独でパルボウイルス不活化ワクチンを接種させることが一般的。散歩中などに他の犬の排泄物をなめる癖がある犬は要注意。
犬レプトスピラ症 ひどい嘔吐や下痢が続く。悪化すると下痢に血が混じるようになり腎不全から尿毒症にかかり死に至るケースもある。 犬ジステンパーと犬伝染性肝炎のワクチンにレプトスピラ不活性化ワクチンをまぜたワクチンを接種させる。
狂犬病 犬の中枢神経に作用し、全身の感覚を麻痺させふらふらを歩くようになり、よだれを出して噛み付く。これに掛かってしまうと100%死亡する非常に恐ろしい病気 毎年春に1回の予防接種が義務付けられている。各地域関係機関による集団予防接種が実施されているのでお住いの地方公共団体へ問合せしてください。
フィラリア病 咳・血尿・貧血・腹水がたまるなど様々な症状がでる。血の流れが悪くなり心臓をはじめほとんどの臓器が侵され最終的には死に至るケースもある。 ほとんどの場合蚊が媒体となる病気なので蚊を防ぐことが重要です。とくに初めての夏を迎える仔犬の場合は獣医師に相談の上、かならず予防をした方がよい。仔犬以外の場合は血液検査後予防薬を服用すれば問題ない。
パラインフルエンザ感染症
別名:ケンネルコフ
頑固な咳がいつまでも続きます。感染経路は直接感染、間接感染、飛沫感染と様々で感染力も非常に高いです。仔犬がこれに感染するとほとんどの場合死亡します。なかには突然死するケースもありますので注意が必要です。 犬アデノウイルスII型の感染症ワクチンを接種する